水槽の現在の境界線は、4つの魔法の手順を踏むことで「算出」できます。その手順を挙げていく前に、自分の「水槽国(アクアリア)」の境界線をわざわざ算出するべき理由を話すのが筋ってものですね。算出するべき理由は色々ありますが、ひとつ大切なことは、「水槽国(アクアリア)」の終わりと「水槽外界(パラクアリア)」の始まりがどこかわかっていれば、同時に誰が味方で誰が敵か、誰がチームメイトで誰がライバルか(いえ、もしかしたらライバルではなく単純に自分のチームに所属しない人たち、とも言えるかもしれません)ということもはっきりとわかります。どこに忠誠心があるのか、意思決定する際の根拠は何であるべきか、という部分がはっきりするのです。これは、「水槽外界(パラクアリア)」の不幸を願うことや「水槽外界(パラクアリア)」へ本当の戦争を仕掛けること(戦争は狂人の遊戯です。)を言っているのではありません……むしろ、私たちの関心は広大なパノラマと皆に利益をもたらすシナリオにあるのです。それに、競技場でサッカーフィールドの境界線がどこに位置するのか、自分のゴールはどこにあるのか、誰が本当のチームメイトかについて明確に知っておくことは損にはなりませんよね。オウンゴールやチームメイトに向けてスライディング・タックルしてしまうような失態(悲しいことにも、人生で頻繁に引き起こされてしまいがちな過ち、とも言えます)を防ぐことにもつながります。
最後となる第10訓は成功の秘訣とも言えます。われらが美しい金のさかなに、ふたつの行動を学んでもらうためのものです。つまり水槽の適切な寸法を決めること、そして環境の中でのかじ取りにおける基本的な原則を理解することです。 これを踏まえて最終訓を見てみましょう。 第10訓:自分の世界を評価すべし
(ゴショーの魔法の方程式)
手順その3:
その課題の存在理由について、納得できる解釈を考え出すこと
手順その4:
選んだ課題に対して最適な解決方法を選ぶこと
さて。自分の「水槽国(アクアリア)」の境界線を算出するべき理由にも触れたことですし、次はどのように算出するかを見ていきましょう。手順その1は、金のさかなが自分の今の暮らしや活動において意義のある研究課題を見つけ、選ぶこと。
手順その2は、その課題に合った分析方法を選ぶこと。
手順その3としては、その課題の存在理由について、金のさかな自身が納得できる解釈を自分で考え出すことが必要です。(興味深いことですが、課題の存在理由にどんな解釈をしても気分はマシになります。ただし、本当に役立つのは正しい解釈だけです。)
最後の手順その4は、選んだ課題に対して最適な解決方法を選ぶことです。
これはつまり、異なる「水槽」がいくつかあるとしたら、課題を解く方程式も課題の分析方法も、課題の存在についての解釈も解決策も、それぞれの「水槽」特有のものになるということです。ですから、これらの「水槽」の類似点や相違点は、上記の4つの主な要因によって具体的に決まるのです。